テーラー渡辺

バウワーローバック|オーダースーツ&ジャケット・シャツのテーラー渡辺

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バウワーローバック

バワーローバック

昨年イギリスは西ヨークシャー州の老舗ファブリックメーカーである「バワーローバック」から、最もラグジュアリーな商品、「100%スパンカシミア」を超格安価格でお仕立ていたしますの企画を行いました。「コロナ騒ぎ」の影響で、今回スパンカシミアの取引先から特別に格安で卸してくださいました。全部で5着分を用意したところ、一週間以内にあっという間に売れてしまいました。お客さまからの強いご要望により、取引先の代理店から、仕入れさせていただきました。今回は限定6種類、1着ずつのみとなりましたところ、4着売れましてあと残り2着のみとなりました。クオリティーの高い商品なので当店といたしましても仕立てのトップクラスに近いお仕立ての「スプレンディッド縫製にてお仕立てすることにいたします。スペシャルプライスなので仮縫いは別途頂戴いたします。これだけのクオリティーの高い商品が、しかも縫製の高い仕立て「スプレンディッド縫製で税込み「20万円」以下は今後ないかと存じます。
「スパンカシミア」という生地をご存知でしょうか。
スパンとは? 
紡(つむ)ぐと言う意味。最高級のカシミアを贅沢に100%使用し、それを、しっかりと丁寧にスーツ用に紡いだ最も贅沢なスーツ地のことを言います。スーツ地の中でも「スパンカシミヤ」は、カシミヤの中でも一番の最高峰に位置する超高級素材です。本来、ジャケットやオーバーコートなどに使われるカシミヤは、背中の太くて短い毛を使用して高速織機で織り上げます。これが紡毛カシミヤと言われる太くて短い毛を使用したカシミヤで、ジャケットやオーバーコートなどに用いられます。一方、スーツに使用する“スパンカシミヤ”は、梳毛(そもう)カシミアと言って、胸の細くて長い毛だけを使用し、糸を寝かせてから、高速織機ではなくシャトル織機でゆっくり織り上げます。そうすると、打ち込みがしっかりした生地になり、滑らかな質感ながら適度なコシが生まれます。
このように、スパンカシミヤは、限られた部位の少ない毛をシャトル織機でゆっくり織り上げるので、量が作れないのに加え、膨大な時間と手間が掛かります。そのごく少量しか作れないにもかかわらず、今回の「バワーローバック」からの「スパンカシミア」スーツ地はカシミアを380gmsもあるのでものすごく打ち込みがよく、カシミア特有のナチュラルストレッチや贅沢な手触りがありつつも、一見するとウールのような強さがあるのです。この目付の良さ、ハリ感、そして復元力。カシミアを売りにするだけでなく、実際にスーツとして仕立てたときのことを考えて織られたピュアカシミアの生地は本当に珍しい品で、一般市場ではなかなかでない、逸材の商品。もしあったとしても、一般デパートでこの生地を使ったオーダースーツは60万円以上はいたします。これほど圧倒的なステイタスを備えた服地は他にはないと思います。この生地で仕立てたオーダースーツが如何に特別であるかがお分かり頂けるのではないでしょうか。最高に贅沢な気分を味わって頂ける一着です。きっと納得するプライスかと存じます。コロナ騒ぎだからこそ、取引先も格安で卸してくれたことだし、当店としても今だからこそ破格でお仕立てできるのです。この機会にどうぞお仕立てください。一生ものの商品です。

バウワーローバック

バウワーローバック

バウワーローバック

バウワーローバック

FULL HAND MADE フルハンドメイド

私の大切なスーツ。大事に仕立ててもらいたいから。

スプレンディッド縫製

渡辺 弘行 渡辺 正
よくお客様からのお問い合わせで、「オタクではハンドメイドですとおいくらでやってらっしゃいますか」。との話があります。「ハンドメイド」このい言い方は本当にあいまいな言い方で何処までが「ハンドメイド」なのかもあります。ごく一般的な「ハンドメイド」は一人の職人が裁断から縫製全工程を一人の職人でまかなう「フルハンドメイド」のことを言います。この場合、値段も非常にかかるし、日数もたくさんいただいておりますのでお客様のご負担はあるかと存じます。当店では「ハイグレード縫製」と「フルハンドメイド」の間に「スプレンディッド縫製」「エクセレント縫製」があります。その中の一つが「スプレンディッド縫製」といいます。ハンドメイド縫製のほぼ60%を職人の手で執り行う縫製です。ハンドメイドのよさを全て取り入れてあり、とても丁寧に行うので多くの時間のもとでじっくりとお仕立てしており、非常に好評です。それではその仕立ての内容をご紹介いたします。

衿穴・手かがり

フラワーホール 元結(もとゆい)という髪結いに使う紙縒り(こより)である日本古来の紐の糸を超極細のシルクの糸でゆっくりと巻きつけ一針、一針丁寧に綺麗にかがります。マシンメイドでは絶対にでない、ボタンホールの糸の纏り(まつり)が細かくてボタンホールが立体的に盛り上るのが特徴です。これは永い間経験しなければできない職人の技(わざ)なのです。

前釦穴・手かがり

フロントボタンホール ハンドメイドのボタンホールは、頻繁に掛けはずしに丈夫に対応し、この立体感はハンドでなければでません。ボタンホールは洋服の人間で言えば「目」にあたり、手かがりをする事により上着が随分と感じ方が変わります。ご覧の通り味も変わり、雰囲気もハンドメイドらしくなります。昔、洋服のうまく縫う職人か不器用な職人なのか、わかる判断方法はその職人に「ボタンホールをかがらせろ」。といわれておりました。手先の器用な人でなければ何年たっても綺麗なボタンホールはかがれません。40年以上前になるでしょうか、私の洋服の修行時代は、仕事が終わった深夜、寝る間を惜しんで一生懸命にボタンホールの練習をいたしました。現在どれほどのボタンホールを綺麗にかがれる佳い職人がいるでしょうか。イタリアの職人だってイギリスの職人だって全部がいい訳じゃなく、うまい人もいれば見られない下手な職人もいるものですよ。

胸ポケット手かがり

マシンメイド ハンドメイド
上の写真の左側がマシンメイドの胸ポケットです。マシンメイドの場合はポケットの端をミシンで上から叩いて進み掛けるためペタッとした平面状態にになります。右側のハンドメイドの場合は端をすくい上げるように一針、一針ゆっくりと縫っていくので、胸ポケットが盛り上がり、とても構築的で立体的な胸ポケットになります。「ハンドメイドは洋服の全体的に見た目が穏やかに丸く、とがらずに柔らかで立体的なシルエットにすることが重要な要素となるのです」。

肩入れ・手付け

前肩 洋服の上着は肩で着ると言います。日本人の肩は、欧米人に比べて前に出ております。
業界用語では「前肩」と呼びます。その前肩を手付け(ハンド)で行います。後ろ肩のいせ量も若干多くし丁寧に縫います。そのことで上着の中心である「うなじ」から肩先にかけて重さを軽減でき、肩先が当たりにくくなります。そのためバランスもよくなり着心地感が抜群にとっても良く変わります。

胸ポケット手かがり

バスト ハンドメイドのバストのボリュームは構築的で迫力が違います。そしてハンドメイドの場合は端をすくい上げるように一針、一針ゆっくりと縫っていくので、胸ポケットが盛り上がりとても立体的な胸ポケットになります。「ハンドメイドは洋服の全体的に見た目が穏やかに丸く、とがらずに柔らかで立体的なシルエットにすることが重要な要素となるのです」。

袖付け・手付け

袖付け 袖付け 袖付け
スーツの型紙上では、卵のかたちのように上が細くなっているような状態でも、いざ上着として立体的になるとそのアームホールが、「ソラマメ状態」、もしくは「三角おにぎり状態」のかたちに形成されてまいります。
袖付けのハンドは、まずしつけ糸でハンドメイドでゆるく、ゆるく返し縫いをいたします。いろいろな工程を経ていきます。そのハンドメイドの針による、運針によって、最初感じられなくても、時間が経っていくと自分のアームホールの形になります。上着を着ながら自分のアームホールが形成され、その人だけのアームホール「ソラマメ状態もしくは三角おにぎり状態」。になってきます。そして、手纏り(てまつり)をするハンドの運針(うんしん)によって、より身体になじんでまいります。

裏見返し・手星入れ

裏見返し・手星入れ 裏見返し・手星入れ
クオリティーの高い服ほど、丸い服作りに徹底しています。その為に上着の裏の見返しを内側に追い込んでしつけ糸をかけてそこにハンドで押さえるように、ステッチをかけます。そうすることにより、上着を着たときに丸く身体に包まれて立体的になります。写真で見るようにフロントの収まりの状況もよくなります。

クセ取り

クセ取り作業 ハンドメイドの大事な要素で欠かせないことは、巧みなアイロンワークによる生地のクセ取りです。
この時間をかけた経験を持った職人のハンドのクセ取りにより平らな生地も、人間の体に沿って内側へ丸く立体的になるのです。

エージング仕立て

生地、フロント毛芯にはそれぞれ伸縮特性があります。それぞれの伸縮性が品物よっては一定では無いのです。服作りには蒸気でおこなう「加湿」アイロンによる「加熱」そして「冷却」がありその繰り返しをしながら仕立てをおこなうのです。加湿で伸び、加熱で収縮し、さらに冷却で固定されます。この3つの処理が短時間ですと、すんでいる段階では伸縮途上の状態のため歪みが発生しまう原因となります。これを専門用語で言うと「バブリング」といいます。 その条件を解決するために、「エージング」つまり(寝かせ)が工程の間に必要となります。よりよいスーツの仕立ては生地をゆっくりと時間をかけて「寝かせ」ながら次の工程に向かい、一着を完成させることが重要不可決なのです。

昔から、変わらぬ手仕事から生まれる最高の仕立て。

どんなにマシン縫いが発展しようとも人間による運針の力の強さの塩梅(あんばい)にはかないません。
ハンドによる糸にかける力の甘さはマシンには到底出来ないものなのです。この運針による力の甘さが服を着続けることで、より人間の身体にゆっくりと徐々になじんでくるのです。
納得のいく最上級の服。他の誰にも着られない自分だけの大事な服。「いいね」「素敵ですね」と誰からもほめられる佳い服。大量生産では到底作れない味わいのある品格のある服。
最高に着心地のいい服はこうして出来上がってくるのです。時間をかけてじっくりと仕立てる。           
これこそが究極の贅沢な着心地感につながるのです。
これまでの説明を読んできて、すべてのことが「それがなんなの、どってことないでしょ」と言ったら、なんにもなりません。極論(きょくろん)ですがこだわりって、見方によっては「何もそんなに考えなくても」。と滑稽に見られがち。しかし一着にかけるスーツは「ハンドメイド」により、その品物に対してその人の思いが伝わります。
「たかがスーツ、されどスーツ」こだわりって「感覚的」なものだと思います。
私がこだわって縫ったスーツを仕立てる事により、そのお客様が喜んで、着ていただける。その事により、私のアイデンティティ(存在感)を感じ、嬉しく思う。スーツという媒体を通して、お客様と私との心のキャッチボール。その事をこれからも、大事にして、スーツを縫っていきたいのです。

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バウワーローバックス

バウワーローバックス

バウアー・ローバック・アンド・カンパニー(Bower Roebuck & Co.)は1500年代にイギリス・イングランド・ウェスト・ヨークシャー州ハダーズフィールドで創業したスーツ、アウター、ボトムス用ファブリックメーカーのブランド。 BOWER ROEBUCH社(バゥワー ブローバック社)は、1500年代にイギリス・イングランド・ウェスト・ヨークシャー州ハダーズフィールドで創業した中堅会社で最上級の梳毛カシミアその他高級混紡紳士スーツ地及びジャケット地の専業メーカーで、特に世界の最高峰である「スキャバル」の高品質の生地を織っていることでも有名な会社です。1899年に現在の形で設立するまで、そのBOWER ROEBUCH(バワーブローバック)の歴史的な場所で450年間織物は生産されてきました。デザイン及び品質の優美性に対する強力な自信を持って、近年芸術的な生産技術を伴う再設備を含め、一大投資を完了しました。この投資により、会社が有名になった特殊な品質の開発及び将来の発展に対する確固たる基礎を構築いたしました。BOWER ROERBUCH社(バワーブローバック社)は、純粋のスーパー120s'及び150s'の品質を創出した最初のメーカーであり、世界中にその品質が確認されています。その顧客は多岐に亘り有名なクチュールハウスや一流既製メーカーであるキートン、ベルベスト、ブリオーニ、その他マーチャント等と取引をしております。

バウワーローバックス

チェルッティ

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