ステンカラーコートは最もスタンダードなコートの古典派です。これは第一釦を外しても留めても着られる衿型のことで、衿を立てて釦を留めると少々の雨風(あめ・かぜ)を凌ぐことができ、体温を保護することが出来ます。ただし、ステンカラーコートの名称は和製英語で、スタンドフォールカラーというのが訛って、ステンカラーになったという説が有力です。正式名称はバルマカーンコート(バルカラーコート)と言います。そもそもバルマカーンコート(バルカラーコート・ステンカラーコート)とはスコットランドの、とある地名です。1850年頃からこの地で着用された、ゆったりとしたラグラン袖の七分丈ほどの末広がり型のものがそのコートのオリジナルであったとされます。それがシンプルな構造にアレンジされ、タウンコートの代表格として今もなお愛され続けているのです。コートの衿の名称も短縮してバルカラーとも呼ばれていますし、防水コートにも見られます。 |
ステンカラーコートと言ったらラグランショルダーでしょうか。ラグランショルダーとは、袖がたっぷりに裁断され、袖付けの縫い目が両方の袖ぐりから前も後ろも袖まで達しています。ゆったりフィットするコートで、この名前は、クリミアにおけるイギリス軍の司令官、初代ラグラン男爵にちなんでいます。戦争中、塹壕の中で負傷した兵士に肩に楽にかけられるように考案したとされております。 | ラグランショルダーに比べて、最もシンプルなショルダーで、セットインショルダーとは、普通肩の事です。 ラグランショルダーは袖を下げている状態は楽ですが、このセットインショルダーのほうが手を上げるにはこちらのディテールがより楽に上がりやすくて、いいようです。どちらも特徴のあるショルダーになっております。お客様のお好みでディテールはお選びされたらいいでしょう。 |
首の周りに沿って、上衿の下につける布部分です。 その布が描くカーブによって上衿の高さやラインが形づくられます。 |
衿腰を切り替えすることにより、前腰、後ろ腰が立って首筋を保護しやすくなります。衿腰が立っている状態がお好きな方にはこちらをお薦めいたします。衿を立てて首を守って歩くと、暖かいだけでなく落ち着きます。 | 衿腰が一枚衿のため衿腰が寝ている状態になっております。首筋が安定している状態がお好きな方にはこちらがいいでしょう。衿を立てるとしたら後ろ腰をめくって立てればおしゃれですよ。 |
袖口から入り込む雨風を防ぐストラップ。 今ではおしゃれなディテールになっております。 |
通常の袖口。袖口を本あきにする事も可能です。 |
お昼は暖かくなっても、朝晩まだまだ肌寒時にはスプリングコートが必要です。いようです。日中暖かくても、晩になると肌寒い朝晩には重宝です。最近は防寒の意味よりも日中、肩にかけているだけでいいお洒落なアイテムとして定着しております。デザインは「バルカラーコート」「ステンカラーコート」がお薦めです。ウェイトは重すぎず、260gmsからが良いでしょう。色々なコレクション、カラーも揃えております。ショルダーはナチュラルショルダーに最近流行のノーパットセットインも可能です。お好きなデザインで、スプリングコートを仕立ててみませんか。 |